社会学研究互助会:鶴田幸恵『性同一性障害のエスノグラフィ──性現象の社会学』合評会

参加者募集は締めきりました。

社会学研究互助会の第六回は、鶴田幸恵『性同一性障害エスノグラフィ』が対象です。
本書『性同一性障害エスノグラフィ』は、主題に関心のある方を中心に広く読まれ刷を重ねている、社会学書としては幸運な本だと言えるでしょう。

※書評もいくつか出ています:
こうした事情を受けて、企画者としては、今回の合評会では もうひとつ抽象水準を上げて、本書が、
  • [1] 性現象についての
  • [2] インタビューという手段を用いた
社会学的・エスノメソドロジー的研究であることに照準した検討を行いたいと考え、社会学専攻のお二人(山根純佳さん、浦野 茂さん)に評者をお願いした次第です。
 お二人の報告を踏まえて、フロアの皆さんと時間をとったディスカッションができれば、と考えています。
 なお、すでに著者の鶴田さんには、この合評会のために自著解説を書いていただいています。併せて ご覧ください:
性同一性障害のエスノグラフィ―性現象の社会学 (質的社会研究シリーズ)

性同一性障害のエスノグラフィ―性現象の社会学 (質的社会研究シリーズ)

社会学研究互助会(第3期)第六回研究会 鶴田幸恵『性同一性障害エスノグラフィ―』合評会

※参加希望者は 主催者宛てに 下記4点を記したメールをお送りください。
  • 1)氏名
  • 2)所属と専攻(あるいは関心)
  • 3)自己紹介
  • 4)懇親会参加希望の有無
    ※件名は「『性同一性障害エスノグラフィ―』合評会参加希望」としてください。

評者・著者の紹介

山根 純佳 (山形大学教員/ジェンダー論、社会理論、ケア・社会福祉
フェミニズムの視点から「私(依存,ケア)/公(自立)」とする公私の分離の問題点を考察し,どのような公私の再編のあり方が望ましいのか規範的な探求をおこなっています.最近は,ケアの受け手,与え手双方の自律性を担保する社会的,制度的条件について,ケア労働者への調査研究などをとおして考察しています
浦野 茂 (三重県立看護大学教員/社会学
科学や医学などの専門的知識と日常的な知識の接点における実践や経験について、それらを成立させている概念的前提を記述していくことに関心を持っています。これまでは文化および人種についてこのような作業を行ってきました。現在では同じ作業を発達障害について行っているところです。
  • 主な論文
    • 浦野 茂, 2005「社会学と記憶――W. I. トマス・「社会理論」・移民の記憶」『社会学評論』56(3), 727-744.
    • 浦野 茂, 2009「類型から集団へ――人種をめぐる社会と科学」酒井泰斗・浦野 茂・前田泰樹・中村和生(編)『概念分析の社会学――社会的経験と人間の科学』ナカニシヤ出版, 10-40.
    • 浦野 茂・水川喜文・中村和生, 2013「社会生活技能訓練における発話の共同産出――広汎性発達障害児への療育場面のエスノメソドロジー」『三重県立看護大学紀要』第16巻(近刊).
鶴田 幸恵 (千葉大学文学部行動科学科社会学講座教員/相互行為論、ジェンダー論、セクシュアリティ論、医療社会学
広くは、フェミニズムの問題を研究したいと思っています。その中で、特に相互行為におけるジェンダーの問題に関心を持ちました。そこで、私たちが自明視している性別について、言語化することに長けているトランスジェンダーの人々にインタビューを行いながら、調査研究を行ってきました。最近では性を越境する行為が医学の対象であることから、性同一性障害医療の現場で、医療者に対するインタビューや、実際のカウンセリングの録音・録画を用いた調査研究も行っています。