田原音和(1993)『科学的知の社会学』

これも電子化してあった。ベルクソン登場箇所は、76, 85-6, 244, 327 の四回。
再読したところ、田原せんせいはベルクソンにはほぼ関心が無い模様(もしかすると『歴史のなかの社会学ーデュルケームとデュルケミアン』(1983)の方には もうちょっとなんか書いてあったかも)

第7章「世紀の転換期におけるフランス社会学歴史学」がすごい。1990年の紀要論文で50ページある。ちなみに亡くなったのは1992年4月で、退官二年後、65歳だったとのこと。
その後の「アナール学派」の登場の呼び水となった シミアン&アルヴァックスと歴史学者たちとの論争 を扱ったものだが、前提作業として歴史学側の事情を数世代前まで遡ってまとめているため長くなっている。


第7章 世紀の転換期におけるフランス社会学歴史学

  • 一 問題──デュルケームの提言をめぐって
  • 二 状況(一)──19世紀末のフランス歴史学
  • 三 状況(二)──ドレフュス事件と歴史家の世代交替
  • 四 セニョーボスの歴史理論と社会科学
  • 五 シミアンの歴史学批判
    • 1. セニョーボスの命題(一)
    • 2. セニョーボスの命題(二)
    • 3. セニョーボスの命題(三)
    • 6. セニョーボスの命題(四)
  • 六 論争(一)──シミアンとセニョーボス
  • 七 論争(二)──デュルケームとセニョーボス
  • 八 世紀の転換期における社会学の性格と歴史学の変貌
  • 九 シミアンの経歴と学風
識者のご教示による