鈴木勝美(1965)「人間関係論の生成」/篠崎恒夫(1967-8)「人間関係論批判序説」

総特集:なぜ〈人間〉は産業社会学の問題になるのか https://contractio.hateblo.jp/entry/20220620/p0


鈴木勝美(1965)「人間関係論の生成:その生成との関連におけるバーナード理論の地位」
香川大学経済論叢 38 (1・2)

  • はしがき
  • 1 人間関係論的基盤
  • 2 経営の手段としての“モラール”形成
  • 三 経営の前提としてのモラール形成
  • 四 人間関係論とバーナードの理論
  • 五 むすび


篠崎恒夫(1967-8)「人間関係論批判序説」
商学討究 18 (2) & 18(4)

  • I 序
  • II 経営学方法論と組織論的思考
  • III 人間関係論生成の背景
  • IV 人間関係論の展開
  • V 人間関係論の本質
  • VI 人間関係論の限界
  • VII 結論

鈴木勝美(1965)「人間関係論の生成:その生成との関連におけるバーナード理論の地位」

1「人間関係論的基盤とモラール」
2「経営の手段としての〈モラール〉形成」
  • モラールは第二次大戦中に普及した語
  • 森 五郎(1958)『経営労務管理論』泉文堂 ISBN:B000JAUIMG https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3046534
    • 森によるアメリカにおける労使関係の発展段階論
      • ①18世紀末-19世紀中期:労働立法と社会施設が無い。経営者の温情と慈善。
      • 1880年代-1910年代:「能率増進運動」。1880年代初期のタウン制度、ハルシィ・ロウワン制度~科学的管理法。経営労働の合理化による生産性の増大+生産原価の切り下げを目指したもの。出来高給制度。能率増進を目指しながら怠業を防ぐための試み。
      • 第一次大戦以後-1930年代後期:
  • テーラー証言」
    「「科学的管理の本質として,
    管理者および 労働者双方の側における完全な精神革命(a complete mental revollution)と
    従来の個人的判断や意見にかわって,精確なる科学的調査・知識をもってすること
    の二点を力説」
三 経営の前提としてのモラール形成

ホーソーン実験における面接によるモラール調査の紹介。

四「人間関係論とバーナードの理論」

レスリスバーガー理論とバーナード理論の比較

  • レスリスバーガー先生曰く「モラールと協働的秩序の関係は、肉体と健康の関係に似ている」と。
五「むすび」

篠崎恒夫(1967-8)「人間関係論批判序説」

I 序
II 経営学方法論と組織論的思考
  • 経営組織学説が前提とする人間本性に関する三つの仮説(サイモン)
    • ①組織の構成員,とくに従業員は,受動的な用具であり,仕事を遂行し指示を受ける能力はあっても,自から行動を創始したり,影響を有意義に行使することがないと仮定する命題。
    • ②組織の構成員は,その組織に対して,態度,価値,目標をもたらし,組織行動のシステムに参加するには動機づけないし,誘因が必要であるとし,また,かれらの個人的目標と組織目標との間には,不完全な並行関係が存在し,現実的または潜在的な目標間の衝突が権力現象,態度やモラールを組織行動の説明に中枢的に重要ならしめることを仮定する命題。
    • ③組織の構成員は,意志決定者であるとともに問題解決者であり,認識や思索の過程が,組織の行動の説明に中枢的な役割をもつことを仮定する命題。
  • テイラー先生の四つの大目標:
    • ①真の科学を発展させる
    • ②労働者を科学的に選択する
    • ③労働者を科学的に教育し、啓発する
    • ④管理者と労働者とを親密に協働させる
  • 野口祐(1960/1963/1975/)『経営管理論史』森山書店 ISBN:B000JAQO8S ISBN:4839414254
III 人間関係論生成の背景
  • [101] 「管理組織研究が作業組織から企業の管理機構全体へと対象領域を拡大したのは,
    第一次世界大戦後の産業合理化運動,なかでもその中軸をなしたフォード・システムの一般的普及,
    ・発展による生産の物的・技術的基礎の変革,および
    ・資本の集中,なかんずく垂直的結合運動の発展による企業の質量的発展等によって規制された独占資本の経営実践上の要求
    を反映してのことである。1920年代の組織研究が追求した職能中心のフォーマルな組織原理も当時における巨大なトラストを全体的,統一的に支配運営するための管理機構の整備を必要とした当時の独占資本の経営実践の要求を反映したものである。」
  • ルイス・M.ハッカー(→1958)『アメリカ資本主義』安村 欣次訳、新紀元社 ISBN:B000JATYEE https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3016498
IV 人間関係論の展開
V 人間関係論の本質
VI 人間関係論の限界
VII 結論