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序章 文学教育基礎論の諸課題
第1節 テクストの受容における〈読者〉の役割
- 〈テクストの表現分析を問題にする立場/文学的コミュニケーションにおける読者の役割を重んじる立場〉
第2節 〈読者〉の役割を問う理論の展開
- [005] 桑原武夫(1950)『文学入門』岩波書店
- [005] 荒木繁(1953)「民族教育としての古典教育:『万葉集』を中心にして」(日本文学協会大会)→「問題意識喚起の文学教育」論争
- 文学教育の目標は〈テクストを読み解いていくことなのか/テクストの読み・解釈を通じて学習者の認識の広がりと深まりを問うていくことなのか〉
- 〈文学作品を教えるのか/文学作品で教えるのか〉
- [006] 論争後:
- 大河原忠蔵:状況認識の文学教育
- 熊谷孝:文学的認識、文体づくりの国語教育
- 西郷竹彦:関係認識・変革の文学教育
- 太田正夫:十人十色を生かす文学教育
- 問われたこと:テクストと積極的に関わる読者としての教師および学習者双方の認識の質とその変革
第1章 戦後日本における文学教育論の検討
第1節 読者の行為へのいざない:問題意識喚起の文学教育
- [009] 浜本純逸(1978)『戦後文学教育方法論史』明治図書。〈問題意識喚起の文学教育〉論争まとめ。
- (1) 文学を読み手の生活に結び付けて読むことの意義
- (2) 文学教育の目標論・内容論
- (3) 読者の素朴な問題意識を指導過程のなかに位置付けた
- (4) 文学教育が教育内容としての価値を持ちうることを示した
- 【話法】難語句の説明と本文の言いかえに終始する授業
- スタンリー・フィッシュ(1970)「読者の中の文学」
Stanley E.Fish, “Literature in the Reader: Affective Stylistics," New. Literary History, (Autumn 1970), 123-162. - [018] 荒木繁の民族教育論は、学習指導要領における言語のプラグマチズム(実用主義)&コスモポリタニズム(無国籍主義)に対する批判だった。個人的興味を中心とした手軽なダイジェスト主義と教養主義。植民地主義。日本民族の誇りにもとづく植民地的退廃と圧迫への抵抗。
- [027] 西尾実(1954)「文学教育の問題点」『文学』9月号、岩波書店/『西尾実国語教育全集』第8巻、教育出版
第2節 文学の授業における認識の成立
- [032] 大河原忠蔵(1982)『状況認識の文学教育』有精堂
- [037] ジャン・ポール・サルトル『想像力の問題』平井啓之訳、人文書院、1955年
- [042] 伊藤始、高橋和夫、藤森徳秋、山田勝太郎(1962)「座談会 新しい国語教育をめざして」『日本文学』1962年5月号(11-5)。
- [047] 大河原忠蔵(1958)「文学教育における文学の概念」『日本文学』7-11.
2.1 〈文学教育の哲学〉としての熊谷文学教育理論
- [050] 文学教育研究者集団(文教研) https://bunkyoken.org/
- 熊谷孝 主要著作
- [053] 桑原武夫(1950)『文学入門』岩波書店 https://dl.ndl.go.jp/pid/1336578
- [055] 準体験論
- [060] 戸坂潤(1948)『文学論』(選集8)https://dl.ndl.go.jp/pid/1038654
第3節 戦後日本の読者論と文学教育
- [070] 戦後の代表的な読者論
- 桑原武夫(1950)『文学入門』 https://dl.ndl.go.jp/pid/1336578
- 外山滋比古(1969)『近代読者論』https://dl.ndl.go.jp/pid/1346923
- 西郷竹彦(1965)『文学教育入門:関係認識・変革の文学教育』明治図書 https://dl.ndl.go.jp/pid/9544902
1 桑原武夫の〈読者論〉の検討──『文学入門』を中心に
- [072] アラン『藝術論集』 桑原武夫訳、岩波書店、1941年 https://dl.ndl.go.jp/pid/2935196
- [075] 桑原武夫(1967)『文学理論の研究』 岩波書店 https://dl.ndl.go.jp/pid/1348734
- [082] 前田愛(1973)『近代読者の成立』 有精堂 ISBN:4006020325
- [086] 桑原武夫(1952)「文学教育について:『文学入門』以後」『教育』44, 国文社
2 外山滋比古の〈読者論〉の検討──『近代読者論』を中心に
- [088] 外山の読者論
- 1961 『修辞的残像』 垂水書房
- 1964 『近代読者論』 垂水書房
- 1969 『読者の世界』 角川書店
- [090]
「1920年代になって、作者からほぼ完全に絶縁された読者がはじめてはっきりと意識された。「読者」の発見である。この発見がいわば文学のアウトサイダーである心理学者の I. A. リチャーズによって行われたのは興味ある点である。それを受け継いだ W. エンプソンも、元来は数学専攻であった。」
- [089] リチャーズ(1929)『実践的批評』
- [089] リチャーズ(1924)『文芸批評の原理』
- [089] エンプソン(1930)『曖昧の七つの型』
- [090] Harding, D. W. 1961 “Psychological Processes in the Reading of Fiction”.
3 西郷竹彦の文芸学における〈読者〉論
第4節ㅤ 学習者の読みを生かす授業の思想と方法──太田正夫の理論を中心に
- [121] 太田正夫(1955)「教材研究 芥川竜之介『竜』をめぐって──文学教育の方法」『日本文学』4-3 → 1970所収
- [118] 太田正夫(1970)『想像力と文学教育』三省堂 ISBN:B000J9M4WE
第5節ㅤ 文学教育基礎論構築のための課題**
- [134] 田近洵一(1985)、関口安義(1986)、井上一郎(1993)
- [134] 上谷順三郎(1990)「国語教育における読者論導入をめぐる議論の総括とその展望」『国語指導研究』3
- 上谷順三郎(1997)『読者論で国語の授業を見直す』明治図書 ISBN:4183493153
- [135] 中村敦雄(1990)「文学教育の基礎理論研究」『読書科学』34-4
第4節ㅤ 学習者の読みを生かす授業の思想と方法──太田正夫の理論を中心に
第5節ㅤ 文学教育基礎論構築のための課題
第2章ㅤ 読者反応理論の検討──文学教育のための基礎論として
第3章 文学の読みの動的構造の解明
第2節 「注文の多い料理店」におけるテクスト・ストラテジーの検討
- [337] ミカエル・リファテール(1971)『文体論序説』朝日出版社、1978年 ISBN:4255780080
- [342] ロマーン・ヤーコブソン()『言語とメタ言語』勁草書房、1984年 ISBN:4326198621
- [352] ミハイル・バフチン(1934-35)『小説の言葉』新時代社、1979年 ISBN:4582761534
- [353] 桑野隆(1987)『バフチン:〈対話〉そして〈解放の笑い〉』岩波書店 ISBN:4582768962
- [354] フレドリック・ジェイムソン(1971)『弁証法的批評の冒険:マルクス主義と形式』晶文社、1980年 ISBN:4794936613
- [355] 富山太佳夫(1985)『方法としての断片』南雲堂 ISBN:B000J6TZ4M
- [366] 笠井潔(1987)『秘儀としての文学:テクストの現象学へ』作品社 ISBN:4878931329