涜書:溝上『超・学歴社会』

夜食。
タイトルは「すごい学歴社会」の意でありました。企業の人事担当者への取材にもとづいていて、なかなかおもしろいです(中盤くらいまでは)。 あと、採用のことだけじゃなくて、昇進の話も扱ってる点も吉(後者は調べるのがむずかしいと思われる)。

超・学歴社会 (ペーパーバックス)

超・学歴社会 (ペーパーバックス)

素朴に衝撃的だったのだが、採用不採用の事情ってこんななのか! びっくりしたびっくりした!

 採用の実態が不透明なのは、その実施方式に大きな理由がある。企業の採用試験は、[‥] いつ試験をやって、いつ合格発表があるというふうに、事前に日程が明らかにされているわけではないからだ。[‥] 説明会出席後の採用試験の進め方や採用基準は、依然闇の中である。
 就職活動をする側の学生からすれば、一番困るのは採用・不採用の“基準”がまったくわからないことではないだろうか。ほとんどの企業面接において、学生の側には合否を判断する基準が何ら与えられていないからだ。さらに、学生は「自分は落ちたのか」を確認することすらできない。それは、「来週中に連絡がなければ、ご縁が無かったものと思ってください」といった、きわめて曖昧なものいいしか、企業はしないからである。[p.011]

「そんなことも知らんのか!」と逆に驚かれそうだが。

就職活動ってしたことないからさ....

みんなすごいね。(たい)ヘンだね。よくつきあってるね。

つきあわないとニートになるのか?

ところで東大のひとは いちいち「東大だから」とか「東大なのに」とか引き合いにだされてご苦労なことですな。


いま、アマゾンのレビューをみてみたところ、「ここに書いてあることなんて常識じゃん」という声がいくつかあった。そうでもないと思うけどなぁ。
人事担当者の置かれた状況──たとえば、有名大学出身者を採用しないと自分の人事評価(!)が危うくなる(!)という社内圧力──の話とか、面白かったけどな(っつーか、こいつらあほかw&さもありなん──管理職の姿勢がかわんないんだから、会社も変わらないわなそりゃ──、と)。 「あるべき姿」を語るのではなくて、「実際どうなのよ?」ということをちゃんと調べよう、という基本姿勢もちゃんと(或る程度)貫かれていてるし。

後半のほうがいまいちだと思ったのは、学歴にもとづく昇進格差の再生産を論じるあたりが循環論法っぽくて、さらにそれがどうやら、著者さんの「学歴社会」への嫌悪に支えられてる?っぽい雰囲気も感じられたから。
と書いたけど、これはもういちど読み直してみないと自信がない。


前半のほうに出てくる、「いくら教育コストをかけてみても、ほとんどの人にとってそれは見合わない」(大意)

「上位2割くらいに食い込めばなんとかなるだろう」と みんな思って動いてるのだろうが、
だから「自分の子供だけはなんとか」と思うので、一向に学歴偏重がおさまらない
「リスクへの対処」が「保守的」に働く──
それすらだめ(大意)

ということまで含めて「みんなの常識」になった場合に

そうなってやっと「ここに書いてあることなんてみんな常識」といえるだろうけど

日本の社会がどうぶっ壊れるだろうか とあれこれ想像してみると、なかなか愉しい。