夜食。
タイトルは「すごい学歴社会」の意でありました。企業の人事担当者への取材にもとづいていて、なかなかおもしろいです(中盤くらいまでは)。 あと、採用のことだけじゃなくて、昇進の話も扱ってる点も吉(後者は調べるのがむずかしいと思われる)。
- 作者: 溝上憲文
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/04/22
- メディア: 単行本
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採用の実態が不透明なのは、その実施方式に大きな理由がある。企業の採用試験は、[‥] いつ試験をやって、いつ合格発表があるというふうに、事前に日程が明らかにされているわけではないからだ。[‥] 説明会出席後の採用試験の進め方や採用基準は、依然闇の中である。
就職活動をする側の学生からすれば、一番困るのは採用・不採用の“基準”がまったくわからないことではないだろうか。ほとんどの企業面接において、学生の側には合否を判断する基準が何ら与えられていないからだ。さらに、学生は「自分は落ちたのか」を確認することすらできない。それは、「来週中に連絡がなければ、ご縁が無かったものと思ってください」といった、きわめて曖昧なものいいしか、企業はしないからである。[p.011]
「そんなことも知らんのか!」と逆に驚かれそうだが。
みんなすごいね。(たい)ヘンだね。よくつきあってるね。
ところで東大のひとは いちいち「東大だから」とか「東大なのに」とか引き合いにだされてご苦労なことですな。
いま、アマゾンのレビューをみてみたところ、「ここに書いてあることなんて常識じゃん」という声がいくつかあった。そうでもないと思うけどなぁ。
人事担当者の置かれた状況──たとえば、有名大学出身者を採用しないと自分の人事評価(!)が危うくなる(!)という社内圧力──の話とか、面白かったけどな(っつーか、こいつらあほかw&さもありなん──管理職の姿勢がかわんないんだから、会社も変わらないわなそりゃ──、と)。 「あるべき姿」を語るのではなくて、「実際どうなのよ?」ということをちゃんと調べよう、という基本姿勢もちゃんと(或る程度)貫かれていてるし。
前半のほうに出てくる、「いくら教育コストをかけてみても、ほとんどの人にとってそれは見合わない」(大意)
ということまで含めて「みんなの常識」になった場合に
日本の社会がどうぶっ壊れるだろうか とあれこれ想像してみると、なかなか愉しい。