昨年8月におこなった第一回研究会(id:contractio:20110828)に続き、二回目の今回は合評会です。
要事前申込み。
- 著作紹介ページ:小宮友根『実践の中のジェンダー』(2011、新曜社)
社会学研究互助会(第3期)第二回オフライン研究会
小宮友根『実践の中のジェンダー』合評会
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本書は、「フェミニズムの擁護」を掲げたコントロバーシャルな著作です。
他方でまた本書は、著者が、フェミニズムと社会学を学ぶ中でエスノメソドロジーと出会い、そこから経験的な研究へと足を一歩踏み出したところで終わっている、半ばプログラム的・「中間報告」的な性格をもった本でもあります。前者の点からすれば、この企画としても、合評会の場が論争的なものとなるであろう評者──たとえば「リベラリズム」を奉じるような論者──を選択することが、まずは考えられました。とはいえ著者はおそらく、今後おのずと様々な論争的な土俵へと足を踏み入れていくことになるでしょうし、今回の合評会ではむしろ、後者の側面に焦点をあわせることを 主催者としては考えました。すなわち、今回の合評会では、この中間報告的な書籍について、
- この仕事にどのような意義があるのか。
- 掲げた目標のうちどこまではできているのか。修正すべき点はどこか。
といった点について、現時点での査定をおこなう場を設けることを狙いたいと思います。
こうした理由から、評者は、加藤 秀一さんと中里見 博さんに お願いすることにしました。加藤さんには主として本書第1部を中心に、中里見さんには主として第2部を中心に、検討をお願いしています。
お二人の評を踏まえた上で、フロアのみなさんと時間をとってディスカッションができればと思います。
※参加希望者は 主催者宛てに 下記4点を記したメールをお送りください。
- 1)氏名
- 2)所属と専攻(あるいは関心)
- 3)自己紹介
- 4)懇親会参加希望の有無
著者・評者紹介
小宮 友根 (日本学術振興会特別研究員(PD)/社会学)
- 単著: 『実践の中のジェンダー』(新曜社、2011)
- 共著: 『ブリッジブック社会学』(信山社、2008)
- 共著: 『概念分析の社会学』(ナカニシヤ、2007) ほか
中里見 博 (福島大学行政政策学類/憲法)
- 単著: 『ポルノグラフィと性暴力──新たな法規制を求めて』、明石書店、2007年3月
- 単著: 『憲法24条+9条──なぜ男女平等がねらわれるのか』、かもがわ出版、2005年3月
- 共著: 『証言・現代の性暴力とポルノ被害──研究と福祉の現場から』、 東京社会福祉協議会、2010.
- 共著: 『コンメンタール 女性差別撤廃条約』、尚学社, 2010. など。
加藤 秀一 (明治学院大学社会学部教授、ジェンダー論、生命倫理学周辺)
- 「〈生む自由/生まれる自由〉のためのノート」(加藤秀一編著『生―生存・生き方・生命(自由を考える 8)』岩波書店、2010年)
- 「遺伝子決定論、あるいは〈運命愛〉の両義性について―言説としての遺伝子/DNA」(柘植あづみ・加藤秀一編著『遺伝子技術の社会学―テクノソサエティの現在1』(文化書房博文社、2007年)
- 『〈個〉からはじめる生命論』(NHK出版、2007年)
- 『ジェンダー入門』(朝日新聞社、2006年)
- 「性的身体ノート―〈男語り〉の不可能性から〈新しい人〉の可能性へ」(荻野美穂ほか編『資源としての身体(身体をめぐるレッスン2)』(岩波書店、2006年)
- 『図解雑学 ジェンダー』(石田仁・海老原暁子と共編著、ナツメ社、2005年)