『社会システム理論〈上〉』(1984)

第6章「相互浸透」
第9節「身体と相互浸透」

■相互浸透において、殊更に身体に焦点があてられ・特殊な用いられ方をする 幾つかの例についての概観

  1. 例1: ダンス
  2. 例2: スポーツ
  3. 例3: 機能的諸システム-と-身体 の 共生メカニズム
もっとも古くから知られ、いまもなお見受けられる社会形態においては、身体のこうした[=社会秩序との関係における]利用の仕方の任意性が高く・混合の度合いが高いのが普通であり、ごくわずかな状況においてしか さまざまな利用の仕方のあいだの相互調整がおこなわれていない。こうした状態からの発展は、より少ない任意性とより多くの自由、あるいは より少ない儀式的拘束とより多くの規律化を企図した組み合わせの方向で進んでいる […]83。 [p.396]
83 本書の論述と、ノルベルト・エリアスの大掛かりな研究とは見解が一致している。[→『文明化の過程』ISBN:4588099051ISBN:4588099272 ]
  • [ダンスやスポーツの場合は]身体それ自体が、社会的な意味をふくむ意味付与のための結晶点になっており
    [共生的メカニズムの場合は]身体は主要な諸機能システムの組み合わせ的な連関のなかで、各機能システムの使い道にあわせて多面的な側面のひとつを与えられることになる
  • 身体感覚や身体使用に対して異論の余地のない影響をあたえている身体性のゼマンティクは、社会的文化的進化において生じている社会の形式の変化と相関している。[p.397]